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2003年12月29日

いよいよ。

明日ですねー。コミケ三日目。
無事に参加できそうなので、昨日、ようやくカタログを購入しましたです。

さて、チェック、チェック……って、どうせ待ち時間は山のようにあるんだろうし、
いそがなくても良いのですけれどね。

・雑文。
黒幕会議で話題にしていた志貴、女の子バージョン。
もともと、しにをさんがおっしゃっていたイメージでなんとなく文を書いてみたら
妙にシリアスちっくになったので、没ネタとしてここはりつけることにしました。

───こっから───

いつから、だっただろうか。
気が付いた時、その女の子は一人ぼっちだった。

親もなく。
兄弟も、姉妹もなく。
故郷というものさえなく。

その女の子は、ただ、一人きりだった。


勿論、昔から一人だった訳ではない。

昔。
そう、むかし。
遠く、とおい、むかし。

彼女には家族がいて。
彼女にも故郷があった。


その事を、憶えていた。


父がいた。
強く、だから怖い人。

母がいた。
厳しく、でも、優しい人。

兄か、弟か。
供に学び、遊び、駆けた子供がいた。
いつも、近くにいてくれた、とても大切な人。

見上げた空は、蒼く。
駆け抜けた山々には、とてもきれいな緑。

降り注ぐ月の光は、白く。
漆黒を纏う夜は、どこまでもどこまでも続いてる。


それは、いつか、どこかにあったはずの光景。
彼女が、一人ぼっちではなかったのだと、教えてくれる家族と、そして故郷の記憶。

それを。


それを、まだ憶えてると───彼女は、信じていた。


そう。
信じなければ、憶えているということが嘘になるくらい。

それは、夜の中の景色のように。
それは、霧の中の情景のように。

父の声も、その名前も。
母の顔も、その手の温もりも。

いつの間にか、色あせて。

故郷の空に瞬いた星の名前も。
春に、夏に、秋に、冬に。四季に薫った草花の名前も。

気付いたときには、もう、欠け落ちていて。


そこにあることはわかるのに、
手を伸ばしても触れることのできない、記憶だったから。


だから、彼女は、その記憶を大切に抱きしめて、生きていた。

もうこれ以上、無くしてしまわないように。
もうこれ以上、零してしまわないように。

もう。
これ以上。


───ひぼりぼっちに、にならないように。


七夜。

その、とても、古くから続いた家系の名を。
ひとりぼっちの彼女が、ひとりぼっちではなかった証に、ただ一つ携えた名を。


ただ、そんな名だけを、記憶の淵に落とさないように。


彼女は、大事に、大事に。抱きしめる。

───いつか、一人ではなくなる、その日まで。


───ここまで───

われながら、ワンパターンな文章ですが(汗。
このあと、黒桐くんにあったりすると色々とラブコメに発展したりするわけですね。

……まあ、黒幕会議の場合だと、もっとひどい展開ですが(笑

投稿者 sukei : 2003年12月29日 02:17

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