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2003年10月05日

あなたの落とした、ふじのんは───

金のふじのんですか、それとも銀のふじのんですか。

───われながら、意味不明(汗。

いや、最近ずーとふじのんSSを書こうとしては書けていないのです。
というか、書くつもりなのは「その後(忘却録音以降)のふじのん」なのですが。

どうも、その時の彼女がイメージできないのです。
正確には、私の頭の中にある藤乃の後日譚(痛覚残留〜忘却録音)と、
それを経て形成される、藤乃の人間像。
その人間像が、どうも「空の境界における浅上藤乃」と重ならないのです。

本編の藤乃と同一にする気はないのですが、
まったくの別キャラであっては意味がない。
いくつかの出来事を経た浅上藤乃として至る可能性がある人物像───が、
どうにもうまく作れてないなあと。

ということで、結構難産してます。まあ、こういうの考えるのも楽しいのですけれど(笑。

ちなみに、自分で考えていて「これは変だろ」と思ったふじのんは、こんなのだったり。

・・小ネタ。

「耐えるだけでは、状況はいつまでも改善されないと思うの」
私の顔を真正面から見据えたながら、瀬尾さんはでそう言った。
声に込められた響きにも、私を見つめる瞳にも冗談めいた光は微塵もなく、真剣そのもの。

ということは───。

「───」
「───」
ぱり。

「───」
「───」
ぼり。ぼり。

「───」
「───」
ずず……。

「……あの、藤乃ちゃん?」
「───?」
ポテトチップスをかじり、紅茶でそのカケラを流し込みながら、
彼女の意図を黙考する私に、何故か、ひどく不安そうに瀬尾さんは眉根を寄せた。

「なんでしょう?」
「えーと、わたしの話、聞いてくれてるよね?」
「はい」
こくり、と頷く私に、しかし、瀬尾さんの表情から曇りはとれない。
それどころか、やや非難するような色が、瞳に宿っていく。

「藤乃ちゃん」
「はい」
「今、『面倒そうな話だから、逃げようかなー』なんて、思ってるでしょ?」
じー、と大きな瞳で私の目を見つめながら、詰め寄ってくる瀬尾さん。
鮮花に言わせれば、瀬尾さんは「詰め寄る」んじゃなくて、「すがりつく」らしいけれど……
どちらにせよ、私は彼女のこういう態度には───困ってしまう。

「……わかりましたか?」
「藤乃ちゃんって顔にでるもん」
「いつも無表情って言われますけど」
「ふふー、私と鮮花ちゃんにはわかるんだよ」
得意げに、胸をはる瀬尾さん。
しかし、次の瞬間には、あっというまに再び私に詰め寄る体勢に戻った。

「だからね、お願い。話を聞いて。というか協力して。より正確には共に戦って欲しいの」
……こういう、ころころと良く変わる表情は、見ていて楽しくて、羨ましいと思う。
そんな感想を心に浮かべながら、私も彼女の瞳を見返した。

そこにあるのは、真摯な瞳。だから、私も真摯に、告げた。

「───イヤです」
「なんで!」
泣きそうな声で叫ぶ瀬尾さんに、少し同情しつつも私は首を何度か横に振る。

「だって、瀬尾さんのお話って……鮮花のことですよね」
私の指摘に、彼女は、なぜか狼狽えたように後ずさる。

「うっ、何故それを」
「……わからない方がどうかしてると思いますけれど」
やや呆れ混じりに呟くと、今度こそすがりつくように、彼女は私の手をとった。

「だってね、だってね? 最近の鮮花って横暴だとは思わない?」
涙混じりの声───とは言い過ぎかも知れないが、それでも瀬尾さんの訴えは、
かなり悲痛な思いに満ちていることはわかる。

この数日、彼女とそのルームメートである黒桐鮮花の戯れ───とは、鮮花の弁だが───を
思い起こすと、自然、瀬尾さんの訴えに頷いてしまうことになる。

おそらくは、外で厄介事とを抱え込んでいるせいだろうけど、
そのストレスをはらすように、瀬尾さんと遊ぶ鮮花は
少々───というと瀬尾さんは青ざめるかも知れないが───理不尽だったかもしれない。

「はあ……まあ、確かに」
「そうだよね! そう思うよね!」
我が意を得たり、とばかりに声のトーンをあげる瀬尾さんは、
ぎゅっと私の両手を抱え込む手に力をこめて、ぶんぶんと振り、告げた。

「───だから、だから───協力して?」
「イヤです」
「だから、なんで───!」
再度の拒絶に、再び泣きそうな悲鳴があがる。

───いや、ちょっと泣いているのかも知れない。

「……ひょっとして、藤乃ちゃん、わたしのこと、嫌いだったりする?」
「そんなこと、ないですよ? でも───」
「でも───?」
「鮮花のストレスの矛先が、瀬尾さんに向いているから私は平穏なんですし」

「ひどい───! それはひどいよぅ───」

─────────
いや、書いていて楽しいんですけどね(笑。
ちょっと、ちがうかなーと。でも、うまく内面を掘り下げられたらあるいは
こういうふじのんもありなのかな、と今、書きながら思ったり(こら。

投稿者 sukei : 2003年10月05日 23:45

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