注 姉と妹ですが、ここでは姉妹(きょうだい)とお読みください。



No.1 どうせなら愛玩用先行者とか の巻


カーンカーンカーンカーン


妹「やかましい。人が安眠しておるのに近所迷惑ぞ、姉」
姉「おお、いい所に。ワトスン君これを見たまえ」
妹「誰が暇を持て余した医者か」
姉「いいからこれを見て驚くべし」


ちゃ−ちゃちゃ−ちゃちゃちゃちゃちゃん


妹「・・・メカタヌキ?」
姉「どこから見ても可愛い子犬ロボであろうが!」
妹「・・・姉よ、人形師であればもう少し造形というものを・・・」
姉「ええい、いいから見ているべし!ちゃっぴぃゴー!」


トコトコトコトコ


妹「おお、一応スムーズに歩いておるな」
姉「当然だ。マイ事務所の景気回復のために開発した、高性能子犬ロボ『ちゃっ
ぴぃ』だからな」
妹「して、芸はするのか?」
姉「もちろん音声認識によりお手もお座りもできるぞ」
妹「しかし、その程度ならア○ボのほうが・・・」
姉「無論ア○ボなど遠く及ばぬ新機能も搭載している。見よ」


ジョーーー


姉「この通りロボでありながら縄張りを主張することが出来るのだ」
妹「・・・屋内で・・・」
姉「更に付属のウィルスプログラムひとつで狂犬病になってだな」
妹「・・・・・・(破壊魔術詠唱中)」

融けた金属塊を眺めながら
妹「しかしどこでこんな物を創る予算を?」
姉「うむ、黒桐の給料を三ヶ月分ほどな」

No.2 山本さん(36)独身 の巻

「先生、僕は先生のことが」
「だめよ志貴、いけないわ」
「先生」
「いや、あ、ああ」
             (つづく)


姉「TVの前で手に汗握るのは楽しいか、妹よ」
妹「ちょうど終わったところだ。来週の展開が楽しみであることよ」
姉「それは良かった。ちょっとこれを手伝ってくれ」
妹「この箒をどうするのだ?」
姉「箒ですることは決まっておろうが」
妹「・・・ちゃんばらごっこか?」
姉「掃除の時間の小学生かぁ!いいから裏庭を掃くのだ」
妹「急にまたなんで」
姉「実は農家の山本さんからイモをもらってな」
妹「おお、それで落ち葉を集めて焼くのだな」
姉「その通りだ。さあ、始めるぞ」


サッサッサッサッサッサッサッサッサ・・・


パチパチパチパチパチパチパチパチパチ・・・


妹「もうそろそろ良いのではないか?」
姉「うむ、良さそうだな」


ガサガサガサ・・・


妹「もぐもぐ。やはり焼き芋は焼きたてに限る」
姉「まぐまぐ。まだまだあるからたんと喰うがいい」
妹「うむ、もぐもぐ。ところで姉」
姉「なんだ妹」
妹「山本さんは何故イモをくれたのだ?」
姉「実はイモといもの物々交換をしたのだ」
妹「はて?ウチにイモなぞあったかの」
姉「妹(いも)」


ビシッ!


妹「・・・は?」
姉「農家の後継者不足,嫁不足の折、快く応じてくれたぞ」
妹「イモ・・・たかが10kgのイモと・・・」
姉「まあ、妹では腹は膨れぬからな・・・どうかしたか?」
妹「・・・・・・(最強破壊魔術詠唱中)」

クレーターの中心にて
姉「人の話を良く聞け、妹。イモ10kgとなど交換する訳なかろうが」
妹「おお、それは失礼した」
姉「等量交換だから、残り4X kgが後日届く手はずになっておる」
妹「・・・・・・(最強破壊魔術第二弾詠唱中)」

No.3 赤のたどり着く場所 の巻


ガサゴソガサゴソ


姉「お互いたまには鞄の整理などせんとな」
妹「うむ、しばらくしていなかったから・・・お、半年前のコッペパン発見」
姉「妹、給食のパンを机に入れて忘れる小学生のような事を・・・」
妹「言うな、姉。若さゆえの過ちよ」
姉「・・・妹、お主いくつになった」
妹「姉より若いのは確かだが。大台まで後何年だ?」
姉「・・・」
妹「・・・」


ドカバキベコボコガシッゲシッドカン

姉「鞄は整理しておかないといざと言う時困るからな」
妹「うむ、まさか使い魔が鞄の中で詰まってしまうとは思わんかった」
姉「おかげで久々の肉弾戦であったわ」


ガサゴソガサゴソ


姉「お」
妹「何だ?腐って膨らんだ牛乳パックでも見つけたか?」
姉「いい加減その路線から離れろ妹」
妹「で、何を見つけたのだ?」
姉「いや、食べ残しなのだが」
妹「結局そこに・・・何だそれは」
姉「だから食べ残し」
妹「私には赤いコートに見えるが」
姉「食べ残し」
妹「・・・まあ深くは問わないが、どうするのだ、ソレ」
姉「妹、いるか?一応魔術的に耐性があるみたいだぞ」
妹「姉はいらぬのか?」
姉「元の持ち主がちょっと」
妹「よし、では私がリサイクルして役立てよう」

数日後
姉「妹、そういえばあの赤いコートはどうしたのだ?」
妹「あれは赤いちゃんちゃんこに仕立て直した。これでいつ還暦を迎えても大丈
夫だぞ、姉」
姉「・・・」
妹「・・・」


ドカバキベコボコガシッゲシッドカン


姉「むう、また肉弾戦に」
妹「鞄の整理が終わらぬゆえな。・・・お、一年前の魚の干物発見」

No.X 後日談 の巻
姉「そういえばいつぞやのTV番組、最終回はどうなったのだ?志貴と先生は」
妹「・・・・・・・・・チクショウ泥棒猫(白)メ・・・・」
ダム、ダム、ダム、ダム、ガシャン・・・
姉「妹、ちゃっぴぃ2号を壊すな。黒桐の給料4か月分が」

No.Ex 裏側というかあとがきというか の巻


ダム、ダム、ダム、ダム、ガシャン・・・


姉「これ妹よ」
妹「なんだ姉。私は今ちゃっぴぃ4号への八つ当たりに忙しいので要件は協会の
伝言ダイヤルに入れておいてくれ」
姉「そろそろ黒桐がストライキを起こしそうだからその辺にしておくのだ。
それよりもこれまでの我らの活躍を振り返ってどう思う?」
妹「それはもう・・・おや、量が半分以下になってないかの?」
姉「うむ、実は我らが悪の限り・・・もといあまりにも大活躍したため、量が多
くなり過ぎたらしいのだ」
妹「そうか。私はてっきり作者がヤバすぎると思ったネタを削ったせいだと思っ
たが」
姉「ソレもあるが、原作が1ページ漫画なので一話が余り長くなると雰囲気が変わ
ってしまい、
タイトルの意味すら無くなるのだ」
妹「それでは仕方ないのう」
姉「で、もう一話やるからおまけらしいことをやれということだが、なんぞやり
残したネタはあるか?」
妹「やり残しもなにも原作で多用された衣装コスチュームネタも勝負物もやっと
らんぞ」
姉「では衣装勝負で。題材は・・・」
妹「せっかく女二人なのだからせくしーに行きたいぞ」
姉「では、水着勝負で」
二人「せーの」


ババッ


姉「これでばっちりせくしーSS。どっちがせくしーか勝負」
妹「・・・まて、挿絵とか入らんのか?せめてせくしー描写は?」
姉「全て想像で補ってもらう」
妹「無茶言うな」
姉「いや、想像力と原作の知識があれば、絵もコマ割もイケル。脳内補完で全話1P
漫画にできるらしい」
妹「精神力の間違った使い方だな」
姉「それではこの辺で」
妹「こんな無理に反則せんでも・・・」


真あとがき
はじめまして、権兵衛党と申します。最初からえらいもの送りつけてますが、悪
気はないです。ただ、イロモノしか作れないだけで。
 次の機会が頂けたら、せめて空の境界SSであることは間違いないものを作りま
すのでご勘弁ください。
それでは。

 


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